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タフでクールなボンド ![]()
アクションシーンはカーチェイス、ボートチェイス、飛行機チェイスの陸、水、空の乗り物を網羅したアクションも素晴らしいですが、スタントマンを使わずにダニエル・クレイグ本人がこなしたという生身のアクションがやはり一番で、迫力がありました。本作品はその肉体派ボンドの魅力が凝縮されているという感じです。
また、物語を締めくくるラストシーンのボンドがクールでシビれました。007シリーズは最後はボンドガールといちゃついて幕を下ろす作品が多いので、この終わり方は新鮮でした。
秘密兵器や気の利いたジョークがないので、それまでのような007らしさはあまりないのですが、映画自体は面白いです。
ジェームズ・ボンドの苦悩―渾身の演技に潜むもの ![]()
2010年4月22日読売新聞朝刊に「007最大の危機」と題する記事が掲載された。それによれば、制作・配給元の大手映画製作会社MGMが深刻な経営危機に陥り、第23作目の撮影が「無期限の延期」となったようだ。「無敵だったスパイは最大の危機に直面している」と伝えている。なんとも切ない。次回作のメドは立っていないが、第23作目も主演はダニエル・クレイグ。彼だけでなく多くのファンが待ち望む新作だけに今後の動向が気がかりだ。
さて本作は、前作「カジノロワイヤル」の続編(シリーズ第22弾)。本作品を評価する1つの重要な観点は、「前作との比較に基づく特異性」だ。すでに何十回と観賞した前作は実に素晴らしい出来栄えだったが、果たして本作品はどうなのか。本作品はアクションのレベルが数段増し、それが大きな売りになっている。「00(ダブル・オー)」の称号を得たばかりの初々しいボンドとはまるで異なり、彼はすでに「プロ中のプロ」になっている。ピンチに陥ることはあっても圧倒的に強い。それが映画全体から鮮明に伝わってくる。ストーリーよりもアクションに比重を置いたシナリオに共感できるファンには、文句なしに楽しめる作品といったところだろう。
ただ何度も観てみると、そうしたアクションが引き起こされる動機とそれに絡みあうボンドの苦悩ぶりといった<人間的要素>も見過ごせない。上司であるMのボンドへの「信頼度」も1つの着眼点(ボンドは自分の「母親」的な存在とみなしている)。焦燥感に満ちた陰のあるボンドの表情や前作以上に締まった肉体も注目に値する。(愛する女性を前作で失った)「記憶」や「愛憎」そして「使命」など、本作品を象徴する言葉は多様にある。「自分が自分であることの意味を追い続ける」ボンドの疾走ぶりが世界を舞台として激しく展開される作品は、前作とは異なる魅力が詰まっている。ほとんど意訳である「慰めの報酬」という映画タイトルも意味深だ。
これ、一番好き。 ![]()
本作が一番好きです。今までのボンド・シリーズとは全く別の作品と思いました。
ダニエル・クレイグは「スプレンディッド・ホテル」の時からファンでしたけど、
俳優本人が体を張ったアクションは彼の素晴らしい肉体の存在感と暴力性、演技だけではなさそうな、つまり撮影で本当に大怪我するかもしれないことから醸し出される緊張感をリアルに感じました。
それにやっぱり演技がすごくうまいし。
全編を埋め尽くす派手なアクションの中から悲しみが伝わってきて、
最後近くのヒロインと車で別れるシーンの短いキスには女心がぐっとゆさぶられました。
ボンドが感情に突き動かされて衝動的にキスしたことがこれまでにあっただろうか。
ヒロインとイチャイチャ馴れ合わないのも初めて。暴力とセックスの中心にいながらのストイシズム。高倉健に通ずるものが。
とにかく、言葉にできないほど傷つき、後悔し、怒り、悲しむボンドなんてこれまでになかった。
肉食系の強くて美しい男がストイックに苦悩する様子というのは実に見栄えがしますね。
アクションすらセクシーに見える。ラストシーンのコート姿がたまらない。
ああ「M」のジュディー・デンチになりたい、とつい萌えてしまいました。
あまり面白くなかったっていう人は男性に多いようですが、多分そういう感じ方をしないせいじゃないかな。
これまでのボンドシリーズも嫌いじゃないし、すごく好きなストーリーのもあるんですが、
以前までのボンドのキャラクターは、もちろん見た目は格好いいんだけど人格的にはひどく平板に描かれているもんで、実は全然魅力を感じてなかったことに改めて気づきました。
この際全部見直しましたが、前作と本作と見比べるとこれまでのはまるで退屈な子供向きヒーロー・コミックのように見えてきてしまいました。
すごく良いのだけど・・・ ![]()
個人的には、こういうテイストの007が好きです。シリアスでクールなのがイイ!
ただ残念だったのは、「時間が短くて物足りない構成」だと感じてしまったこと。
これは監督の嗜好だったみたいだけれど、これが賛否分かれる一因になっていると思う。
それでも娯楽作品としては、素晴らしい逸品なのは間違いありません。
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